医療費控除の対象は「病気の治療が目的で、かつ、常識的な金額のもの」とされており、「家族で使う市販薬」をはじめ、「公共交通機関での病院までの交通費」なども対象になります。
逆に、病気の治療ではなく予防(予防接種など)、健康促進・美容などが目的のものについては、残念ながら認められておりません。
ただ、自己判断では線引きが難しい部分もあるので、この記事では国税庁ホームページに掲載されている「医療費控除の対象になるもの・ならないもの」を、見やすいように○×形式でまとめました。医療費控除を申請される方は参考にしてみて下さい。
目次
一般的に判断に迷うもの一覧
市販薬
○ かぜ薬
○ 頭痛薬などの痛み止め
○ 胃腸薬
○ 鼻炎薬
○ 漢方薬・ビタミン剤(条件として医薬品であること。かつ病気の治療や療養に必要な場合)
× 漢方薬・ビタミン剤(病気の予防・健康増進・美容目的のもの)
× 酔い止め薬
× 健康促進・美容目的のサプリメント・健康食品
× 疲れ目・ドライアイ用の目薬
予防接種
× インフルエンザの予防接種
人間ドッグ・健康診断
× 病気が見つからなかった場合の人間ドッグ・健康診断
○ 病気が見つかり、その後治療することになった場合の人間ドッグ・健康診断
マッサージ
○ あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術
× 疲れをとるためのマッサージ
歯に関するもの
○ 虫歯や歯周病の治療
○ 子供の成長に支障が出るのを防ぐための矯正
○ 噛み合わせの改善など治療目的の矯正(医師の診断書が必要)
× 美容など、容姿改善を目的とした矯正
○ 入れ歯・インプラント・セラミック・ブリッジなど(自由診療も含む)
○ 歯科ローン(金利・手数料は医療費控除の対象外)
× ホワイトニング
× クリーニング・歯石とり
目に関するもの
○ レーシック手術
○ 眼科医の処方による目薬
× 市販薬の目薬
× 近視・乱視用のコンタクトレンズ
○ 視力回復を目的としたオルソケラトロジー治療用のコンタクトレンズ
× 近視・乱視用のメガネ
○ 白内障などの手術後に機能回復を目的とするメガネ
○ 幼児の未発達視力を向上させるためのメガネ
出産・入院・手術をされた方
出産・入院・手術をされた方は、病院から領収書を受け取っていると思います。領収書の金額でだいたい大丈夫ですが、公共交通機関(電車・バスなど)での病院までの交通費も対象になるので忘れずに申請しましょう。
【出産・入院・手術時に気になる医療費控除対象○×】
○ 出産前・出産後の定期健診・検査費用
○ 妊娠中絶費用
○ 不妊治療・人工授精の費用
× 出生前遺伝学的検査(胎児の染色体の数的異常を調べる検査)
× 里帰り出産のための帰省時の交通費
× 無痛分べん講座への参加費用
○ 病院までの交通費
× 入院中の一時帰宅の交通費
× 親族によるお見舞い・世話の交通費
○ 病院で支給される自費分の食費
× 病院で支給される以外の食費(出前・外食など)
× 差額ベット代(自己都合による個室代など)
× パジャマ・石鹸・シャンプーなどの入院時の生活用品
× パジャマ・タオルなどの洗濯代
○ 病院から請求されるシーツ・枕カバーなどの洗濯代
○ おむつ代(医師からの「おむつ使用証明書」が必要)
× 医師や看護師へのお土産
× 付き添い人(親族)の食事代
介護を受けた方
○ 寝たきり老人の在宅療養上の家政婦への費用(※市区町村発行の証明書が必要)
× 療養ではなく家事手伝いによる家政婦への費用
○ 介護老人保健施設利用に対する自費負担分
○ 訪問介護の居宅サービス自費負担分(介護保険給付の対象となるものに限る)
※詳しくは国税庁ホームページをご参照ください。
おわりに
今回ピックアップしたもの以外で医療費控除の対象かどうか迷うものは、是非ご自身でも確認してみて下さい。
確定申告の書き方でお困りの方は、ケース別に確定申告記入例をまとめた、こちらの記事も是非参考にしてみてください。
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■2024(令和5年分)確定申告書類の書き方・記入例ケース別徹底解説!
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。