学生アルバイトが103万超えた時のデメリット4つ!交通費の扱いも確認

所得税

執筆・監修:尾形社会保険労務士・FP事務所

この記事では、アルバイトをしている学生さんを対象に、アルバイト収入(年収)が103万を超えた場合のデメリットについてご紹介します。

一般的に言われている103万とは、総支給額・手取り額どちらなのか?通勤交通費の扱いはどうなるのか?など、詳しく解説していますので是非参考にしてみて下さい。

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一般的に言われている年収103万とは

一般的に言われている年収103万円とは、次の2つのラインのことを指しています。

  • 所得税が発生するライン
  • 税金上の親の扶養から外れてしまうライン

つまり、アルバイト収入が103万を超えると、自分に所得税が発生し、尚且つ、親の税金上の扶養から外れてしまう。ということになります。(※どのくらいデメリットがあるのかは後ほど解説します。)

年収103万に通勤交通費は含めるのか?

税法上、通勤交通費は、原則収入には含まれません。通勤交通費は抜いた金額で年収103万以内と考えて下さい。

年収103万円は手取り金額ではなく総支給額

ここでいう収入とは、所得税や住民税が引かれる前の総支給額です。手取り金額ではないのでご注意ください。

それではデメリットを具体的に見ていきましょう。

学生アルバイトが103万超えた場合の4つのデメリット

アルバイト収入が103万を超えた場合のデメリットは下記の4つが考えられます。そのうち2つがご両親のデメリット。残り2つが自分のデメリットになるわけですが、デメリットの多くは自分ではなく、ご両親のデメリットになります。具体的に1つ1つ見てみましょう。

【親のデメリット】

  • 親の税金(所得税・住民税)がなかり高くなる。
  • 親が会社から支給されている扶養手当(家族手当)がなくなり、給料が安くなる可能性がある。

【自分のデメリット】

  • 自分に所得税がかかってくる。→勤労学生控除を申請すればかからない!
  • 自分の住民税が少し高くなる。→勤労学生控除を申請すれば高くならない!

デメリット1:親の税金(所得税・住民税)がかなり高くなる。

これが一番金額的に大きいデメリットです。

アルバイト収入が年間103万を超えると、親が扶養控除を受けることができなくなるため、親にかかかる税金(所得税と住民税)がかなり高くなります。

特に大学生(19~22歳)場合、扶養控除の金額も大きくて所得税63万円、住民税38万円控除してもらえます。例えば親の所得税が20%、住民税が10%で計算すると年間で164,000円も親にかかる税金が高くなってしまうわけです。。。

また、勤労学生控除を使うときにもご注意ください。勤労学生控除と扶養控除の併用はできません。つまり「アルバイト収入が103万を超えると、勤労学生控除を申請することで自分の税金は抑えることができるが、親は扶養控除を受けることができないので、親の税金は高くなる」ということを認識しておきましょう。

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デメリット2:親の給料が安くなる可能性がある。

これは、ご両親がお勤めの会社から扶養手当(家族手当)をもらっている場合に限ります。扶養手当の条件や金額は会社によって異なりますが、一般的に103万を超えると扶養手当がなくなる会社も多いので、ご両親に確認してみてください。

仮に扶養手当(家族手当)で、毎月1万円もらっていた場合、年間で12万円親の給料が低くなってしまいます。

デメリット3:自分に所得税がかかってくる。

アルバイト収入が年間103万を超えると通常所得税がかかります。

【所得税の目安】
アルバイト年収103万以下:0円
アルバイト年収110万円:約3,500円/年
アルバイト年収120万円:約8,500円/年

但し、学生の場合は、年末調整か確定申告で勤労学生控除を申請すれば、アルバイト収入130万までは所得税がかからないようになるので、忘れずに申請するようにして下さい。

勤労学生控除の条件と申請方法。アルバイトを掛け持ちしている場合は?

デメリット4:自分の住民税が少し高くなる。

住民税は、アルバイト年収が100万円を超えるとかかってくる市区町村が多いです。(※住民税のかかる所得基準は市区町村により異なるため、「お住まいの市区町村名 住民税」で検索し確認してみて下さい。)

【住民税の目安】※お住まいの市区町村によって若干異なります。
アルバイト年収100万円以下:0円 ※市区町村によっては均等割が5,000円程かかる市区町村もあります。
アルバイト年収110万円:約14,500円/年
アルバイト年収120万円:約24,500円/年

但し、住民税も所得税と同じく、勤労学生控除を申請することでアルバイト年収126万円までは安く抑えることが出来るので、忘れずに申請しましょう。※未成年(18歳未満)の方は、年収で約204万4千円未満であれば住民税はかかりません。

終わりに

以上が、学生アルバイトさんが年収103万を超えた場合のデメリットとなります。自分よりもご両親の負担が増えてしまうことになるので、アルバイト収入が103万を超えそうな場合は、ご両親に相談・報告をしましょう。

一方、アルバイト収入が130万円を超えてしまうと、親だけでなく自分にも大きなデメリットが生じます。こちらの記事にまとめましたので是非読んでみて下さい。

学生アルバイトが130万超えたら、いくら損する?何にいくら払う?

それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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・全国社会保険労務士連合会

・東京都社会保険労務士会

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