前年の所得で保険料が決まる国民健康保険料。去年の収入分を今年払うわけですが、今年に入って失業してしまった人にとって、国民健康保険料はなかりきついです。なにしろ国保は高いですから…
そういう方のために、多くの市区町村で国民健康保険料の減免制度が用意されています。この記事では、会社を退職された方を対象に、国保の減免制度により保険料がどのくらい安くなるのか?また、その適用条件や期間、申請方法についてまとめました。
国民健康保険の減免制度
国民健康保険の減免制度は多くの市区町村で用意されています。減免制度の詳細は各自治体がそれぞれ独自に定めていますが、例えば、災害、失業、倒産等により保険料の支払いが困難になったときは、申請により保険料の減免を受けられる自治体が多いです。
今回は、多くの自治体で採用されている減免制度の一つ「非自発的失業者の保険料軽減」について詳しくご紹介します。この 「非自発的失業者の保険料軽減」 は会社を退職した方向けの減免制度ですが、原則、申請しないと受けることができません。事前に自分が該当するかを確認しておき、健康保険から国民健康保険に切り替えるときに忘れずに申請しましょう。
非自発的失業者の保険料軽減
※呼び名は自治体によって若干違います。多くの自治体で「非自発的失業者の~」と呼ばれています。また、一部内容が異なる自治体もありますので、詳細は必ず自分住んでいる自治体にご確認ください。
対象者
- 平成21年3月31日以降に離職した方
- 離職時に65歳未満の方
- 前年の給与所得が0円でない方
- 雇用保険の特定受給資格者または特定理由離職者
雇用保険の「特定受給資格者」または「特定理由離職者」とは、具体的には以下の離職理由で退職した方です。
※千葉県君津市ホームページより引用
雇用保険受給資格者証の以下の部分に「離職理由コード」が記載されています。
軽減内容
前年の給与所得を100分の30として国民健康保険料を計算しなおします。国民健康保険料の計算方法の関係上、保険料も単純に3分の1。というわけにはいきませんが、申請前の半額以下になる人が多いと思います。
減免期間
離職日の翌日の属する月から翌年度3月分までの期間。例えば令和3年8月末で退職した場合は、令和3年9月~令和5年3月まで上記の軽減内容が適用されます。
申請方法と必要書類
申請先
申請先は、お住まいの市区町村の役所(国民健康保険窓口)です。
必要書類
ここでは代表的な必要書類をまとめておきますが、必要書類は自治体によって違うので必ず市区町村窓口で確認してください。
- 雇用保険受給資格者証
- 国民健康保険証
- 印鑑
- 身分証明書(運転免許証など)
- 世帯主及び本人のマイナンバーがわかるもの(マイナンバーカード・通知カードなど)
※雇用保険受給資格者証は失業保険の受給手続きをした後で発行される書類です。
※国民健康保険証は、加入手続きと同時に手続きする場合は不要です。
おわりに
お疲れ様でした。以上が「会社退職者に向けた国保の減免制度についての概要、申請方法」となります。
こういった減免申請は自己申告が原則なので、自分から行動しないと損してしまいます。せっかく用意されている制度ですから要件に該当す場合は積極的に活用し退職後の生活に備えましょう。
会社を退職時に必要な手続きをこちらの記事にまとめました。各種減免制度をうまく活用することで、退職後の税金、社会保険料を安く抑えることが出来ます。
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【1級FP監修】退職後の手続きと減免制度の活用:健康保険・年金・税金編
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。