介護保険の自己負担を低く抑えるには、世帯分離した方が得。という話を耳にしました。
同居で世帯分離した親を、健康保険や税金(住民税・所得税)の扶養にそのまま入れておくは出来るのでしょうか?
また、新たに扶養に入れることは出来るのでしょうか?
この記事ではこういった疑問に答えます。
「世帯分離と扶養の関係」について、健康保険上の扶養・税金上の扶養それぞれ解説するので、世帯分離を検討されている方は良かったら是非参考にしてみて下さい。
目次
世帯分離と健康保険上の扶養について
親と同居しているのですが、世帯分離を考えています。
その場合、親は健康保険上の扶養のままでいれるのでしょうか?
また、これから新たに親を扶養に入れることはできますか?
※世帯分離といえど、同居は続ける。というのが条件です。
健康保険上の扶養については、自分の親か・配偶者の親かで違うので分けて解説します。
自分の親の場合
自分の親の場合は、問題なく扶養のままでOK。又、新たに扶養に入れることも可能です。
配偶者の親の場合
配偶者の親の場合は原則NGです。
理由は、配偶者の親の場合、同居が扶養の絶対条件となっており、扶養申請時に「住民票」などの提出が必要です。その際、世帯分離をしていると「同じ住民票に載らない」、もしくは「世帯分離と注釈がつく」ため、世帯分離の理由を明確に説明できない限り、親を扶養にはできません。
ちなみに自分の親の場合は、同居が扶養の絶対条件ではないので「住民票」の提出は必要ありません。
世帯分離と税金上の扶養について
親と同居しているのですが、世帯分離を考えています。
その場合、親は税金上の扶養のままでいれるのでしょうか?
また、これから新たに親を扶養に入れることはできるのでしょうか?
所得税と住民税では違いはありますか?
世帯分離していても親を税金上の扶養に入れることはできるのか?
世帯分離していても、親を税金上の扶養に入れることは可能です。
理由は、「世帯」を管轄する法律(住民基本台帳法)と「税金(所得税)」を管轄する法律(所得税法)がそもそも違うので、親を税金上の扶養に入れる際、世帯が同じか別かは関係ないからです。
よって、世帯分離をしていても所得税法における次の2つの扶養条件を満たしていれば税金上の扶養にすることは可能です。
【所得税法における扶養条件】
- 親の合計所得金額が48万円以下
- あなたと親が生計を一にしていること
「親の合計所得金額が48万円以下」は、
■親が年金収入のみの場合、65歳未満⇒108万円以下、65歳以上の場合⇒158万円以下。
■親が給与収入のみの場合、年齢問わず103万円以下。
「生計を一にしている」というのは、国税庁のホームページに説明が載っているのでこちらをご覧ください。
⇒国税庁ホームページ:タックスアンサー:「生計を一にする」の意義
所得税と住民税では違いがあるのか?
違いはありません。住民税も所得税と同じで、世帯分離していても親を扶養に入れることは可能です。
理由は、「住民税」を管轄する法律(地方税法)は、所得税法と同じ扱いになるからです。
まとめ
まとめると以下のようになります。
- 世帯分離していても、自分の親を健康保険上の扶養に入れることは出来る。
- 世帯分離していると、配偶者の親を健康保険上の扶養にいれることは原則出来ない。(世帯分離の理由を明確に説明できれば扶養に出来る可能性あり)
- 世帯分離していても、親を税金上(所得税・住民税)の扶養に入れることは出来る。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。