執筆・監修:尾形社会保険労務士・FP事務所
先日クライアント様から、「住民票の住所と今住んでいるところ(現住所)が違うが、住民税はどっちの市に支払うのか?」というご質問を受けました。
最近この質問をよく受けるので、今回は「住民税の支払先」と「住民税と住民票の関係」について詳しくご紹介いたします。
- 住民票を移していない会社員や個人事業主の方
- 会社を辞めて引越しされた方
- 実家に住民票を置いたまま一人暮らしをしている学生さん
など、住民票と現住所が異なる。という方には参考になると思うので良かったら読んでみてください。
住民税は、年末調整で記載した住所の市区町村に支払う
結論から言うと、住民税は、「毎年1月1日に実際に住んでいる住所の市区町村」に支払います。※住民票の住所ではありません。
「今年の1月1日に実際に住んでいる住所の市区町村」については自己申告で、基本的には年末調整書類に書いた住所の市区町村になります。
例えば、住民票と同じ住所を年末調整書類に書けば、住民票住所の市区町村に住民税を支払う。住民票の住所ではない、今住んでいる現住所を年末調整書類に書けば、現住所の市区町村に支払う。という認識が一番わかりやすいかと思います。
また、年末調整書類にどこの住所を書いたか?覚えていない。。。という場合は、会社からもらった源泉徴収票を見れば、自分が書いた住所を確認できますよ。
年末調整書類を提出した後に、引越しした場合は?
少しややこしいのですが、年末調整書類を提出した後に引っ越した場合は、どうなるのでしょうか?
例えば11月末に年末調整書類を提出し、12月中に引越しをしたような場合です。※1月に入ってから引越しした場合は、年末調整書類に書いた住所の市区町村に住民税を支払う。ということで問題ありません!
この場合、正式には「翌年の1月1日時点で、実際に住んでいる住所の市区町村に住民税を支払う」ので、新しい住所の市区町村に住民税を支払うことになります。
ただ、本人が行う具体的な手続きとしては「お勤めの会社に引越しした旨を伝える」ということだけです。後は会社側で、「給与支払報告書」を新しい住所の市区町村に送ってくれます。
会社がちゃんとに手続きをしてくれるか?心配な場合は、「給与支払報告書」を新しい住所に送ってくださいね!と念押ししておきましょう。
自分で確定申告をした場合は?
個人事業主の方は、年末調整がないので確定申告でご自分が書いた住所の市区町村に住民税を支払います。
年末調整も確定申告もしていない場合は?
年末調整も確定申告もしていない場合は、住民票住所の市区町村から「住民税の申告書」が届きます。「収入の申告がないので、収入を申告してください」という書類です。
この場合は、住んでいる場所の情報が「住民票」からしかわからないので、住民票住所の市区町村から送られてくるわけです。そして、住民票のある住所で住民税を支払う。ということになります。
本日は以上です。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。