執筆・監修:尾形社会保険労務士・FP事務所
学生の場合、正確に言うと「免除」ではなく「猶予」制度で【学生納付特例制度】といいます。免除とは違い、将来もらえる年金額への上乗せはありませんが、未納に比べてやはりメリットは大きく、在学中の事故や病気などの保証にもなります。
この記事では、学生納付特例の条件・申請方法・申請期間、手続きを忘れてしまい、申請書の提出が遅れてしまった際の申請期限についてご紹介しますので良かったら参考にしてみて下さい。
目次
学生納付特例制度の条件
最初に学生納付特例制度の条件を確認しておきましょう。
一般的な学生(未婚・子供なし)の場合は、学生自身の所得が128万円以下(給与収入で約194万円まで)であることが条件です。
バイトなどで稼ぎすぎて、上記の収入を超えてしまうと学生納付特例制度は利用できないのでご注意ください!
学生納付特例制度はいつ申請すればいい?
一番いいのは、国民年金加入時に手続きをしてしまうのがお勧めです。20歳になると日本年金機構から国民年金加入のお知らせが届きます。その中に、学生納付特例の申請書も同封されているので申請しましょう。
国民年金加入時に一緒に手続きできなかった場合は、出来るだけ早く手続するようにしましょう。
学生納付特例制度は毎年申請が必要です。
学生納付特例制度は、毎年申請が必要なのでご注意ください。学生納付特例制度の有効期間は、毎年4月~翌年3月分までです。例えば令和4年の11月で20歳になり申請した場合、令和4年11月分~令和5年3月分までの猶予申請をしたことになります。
なので、今年の4月以降に令和5年4月分~令和6年3月分までの猶予申請が必要になります。
手続きを忘れてた!&遅れた場合の申請期限は?
手続きを忘れていた、もしくは遅れてしまった場合は、後からでも申請出来ますのでご安心を。但し、遡って申請できるのは、2年1ヶ月前までの期間です。例えば今月から遡ったとして、今が令和5年2月なので、令和3年1月分までは申請できるという事になります。
ただ、後で申請できるからといって先延ばしにしてしまうと、申請前に事故や病気になった場合、障害年金を受け取れなくなってしまうので申請だけは早めにしておきましょう。
申請方法を確認
申請書を入手する
次の場所から入手してください。※20歳の国民年金加入時に手続きする場合は、申請書が同封されているのでそれを使用しましょう。
① ダウンローとしてプリントアウトする。
↓ ↓
国民年金保険料学生納付特例申請書
② 市区町村の役所・国民年金担当窓口
③ お近くの日本年金機構(年金事務所)
④ 学校の学生課※(置いていないところもある)
申請書に記入する
【記入例】
上記記入例で⑪前年所得がわかりにくいと思うので解説します。アルバイトをしてない場合は、1.なしに○をつければOKです。
アルバイトをしている場合は、前年の所得が128万円以下か、128万円を超えるか確認しましょう。所得128万円は、収入でいうと約194万円くらいです。
アルバイトで約194万円稼いでる学生はあまりいないと思います。そこまで稼いでいなければ、2.あり(※128万円以下)に○をつけましょう。
逆にアルバイトで約194万円以上稼いでいる学生は、自分の子供がいない限り学生納付特例制度は使えない可能性が高いです。役所の国民年金課に電話して自分が対象になるか一度確認してみましょう。
添付書類を揃える
以下の添付書類3点を準備しましょう。
- 基礎年金番号またはマイナンバーのわかるもの
- 学生証(有効期限・学年・入学年月日が記載されている)の裏表面コピーか在学証明書の原本
- 身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
提出する
提出先は、住民票登録のある住所の市区町村の役所・国民年金担当窓口です。郵送でも受け付けてもらえます。また、学生課で申請出来る学校もあるので、確認してみてください。
申請後の注意点
審査期間はだいたい2~3ヶ月で、審査結果は住民票の住所に郵送で送られてきます。審査結果が出るまでの期間(2~3ヶ月)に、納付書や催告状が郵送されてくる場合がありますが、審査結果が出るまでは払わなくても大丈夫です。万が一申請が却下された場合でも、後から支払うことが出来ますので。
おわりに
学生納付特例は、当然メリットも大きいのですが、満額支払った人に比べると将来受け取れる年金額は減ってしまいます。猶予してもらった分の保険料は10年以内であれば、後から支払う(追納という)ことも出来るので、就職してから頑張って支払うのもありですね。
学生がアルバイト収入103万円を超えた場合のデメリットをこちらの記事にまとめました。学生が知っておくべき税金の知識をわかりやすく解説しているので是非読んでみて下さい。
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。