この記事では、一般的に多いであろう夫の扶養内パート妻の方(パート収入のみ)を対象に、年末調整書類の書き方記入例をご紹介させていただきます。子どもは夫の扶養に入れている。という方が対象なので、記入する箇所も少なく10分ほどで書き終わると思います。年末調整全書類の記入例を掲載しておりますので、是非ご活用ください。
目次
年末調整書類の確認
勤め先によって、若干違うのですが次の4枚の年末調整書類が渡されていると思います。※会社によって3枚の場合は①③④。
①令和6年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
②令和5年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
③令和5年分 給与所得者の保険料控除申告書
④令和5年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
令和6年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
記入するのは、記入例の赤枠内だけで大丈夫です。子どもは夫の扶養に入れているのでとてもシンプルですね。
※左の青枠内も原則空白でOKです。もし会社から記入指示がある場合は、その指示に従い記入してください。
■あなたの氏名・フリガナ
名前とフリガナを記入します。
■あなたの個人番号
ここにはあなたのマイナンバーを記入しますが、マイナンバーを記載するかしないかは会社により方針が異なるため、お勤めの会社の指示に従ってください。
自分のマイナンバーがわからない場合は、住民票(マイナンバー記載あり)をとれば、即日わかります。
■マイナンバーがわからない!即日!個人番号だけを調べる方法
■あなたの住所又は居所
ここには原則、今現在住んでいる住所を記入します。
もし、「住民票の住所」と「今住んでいる住所」のどちらを書けばいいのか迷う方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
■生年月日
生年月日を記入。
■世帯主の氏名
世帯主の名前を記入。
■あなたとの続柄
「夫」でOKです。
■配偶者の有無
有に○をつけしょう。
令和5年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
こちらは、昨年の年末調整時(もしくは今年入社した方は入社時)に記入して会社に提出したものが渡されているはずです。変更点がなければ、そのまま提出。変更点がある場合は修正して提出しましょう。
記入済みのはずですが、念のため記入例を掲載しておきますね。「令和6年分」と同じように記入してください。
令和5年分 給与所得者の保険料控除申告書
妻名義の生命保険は、夫・妻どっちで年末調整するべきか?
妻名義の生命保険料について、夫側・妻側どちらで年末調整を行うべきなのでしょうか?当然ですが、両方ともで申請するのは重複となりNGです。
基本的には「保険契約者=保険料支払者」が原則なので妻名義の生命保険は妻側の年末調整で申請となりますが、「保険料を支払っているのが夫」ということを明らかにできれば夫側の年末調整での申請が可能です。国税局のホームページにもわかりやすい説明があるので心配な方は参考にしてみて下さい。→国税局
保険料控除申告書の書き方・記入例
「保険料控除申告書」は、自分の該当する項目がない場合、提出しなくてOKです。
ただ、会社によっては提出を求められるケースもあるようです。その場合は、下記画像赤枠内に名前・フリガナ・住所を記入し提出しておきましょう。
上記画像の青枠部分生命保険料控除・地震保険料控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除を申請する場合は、次の記事を合わせてご参照ください。
青枠①:生命保険料控除
■年末調整、生命保険料控除申告書記入例と書き方。契約者名義が妻の場合は?
青枠②:地震保険料控除
■地震保険料控除の書き方と計算方法。年末調整・確定申告の記入例付き
青枠③:社会保険料控除
■年末調整:社会保険料控除の書き方と記入例。国民健康保険支払先は?
青枠④:小規模企業共済等掛金控除
■年末調整:小規模企業共済等掛金控除の書き方と記入例。iDeCo加入者は必見!
令和5年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
最後に、この「令和4年分 給与所得者の基礎控除申告書…」という長い名前の書類は、
- 基礎控除申告書
- 配偶者控除等申告書
- 所得金額調整控除申告書
の3つがセットになった書類です。
当記事の対象である「夫の扶養内パート妻」に関係あるのは、基礎控除申告書だけなので、下記の赤枠内のみ記入します。※配偶者控除等申告書、所得金額調整控除申告書は記入しなくてOKです。
まずは、右上の赤枠内に氏名・フリガナ・住所を記入してください。
続いて、もう一つの赤枠内、「給与所得者の基礎控除申告書」を記入していきます。
収入金額(下記画像の青枠内)に、今年(令和5年1月~12月)のパート収入を記入します。(※ここで記入する給与収入はだいたいの金額でOKです。あまり神経質になる必要はありません。所得2400万円以下の方は、基礎控除額が全員共通で48万円なので、ここで記入する給与収入が多少違っていても扶養内パートの方には影響ないからです。)
続いて所得金額を計算します。給与所得は次の表に当てはめて計算します。
※国税庁:令和5年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書の裏面より引用。
例えば今回の記入例では、給与収入が100万円で、上から2つ目に該当するので、
給与所得の金額=1,000,000円-550,000円
=450,000円
所得金額(下記画像青枠内)に450,000と記入。
続いて、今回はパート収入のみの設定なので、「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」をそのまま450,000と記入します。
最後に、「控除額の計算」です。「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」が45万円なので、900万円以下にチェックし、「区分Ⅰ」に該当するアルファベットAを記入し、控除額である48万円を「基礎控除の額」に480,000と記入します。
これにて完成です。
おわりに
お疲れ様でした。以上が「夫の扶養内パート妻(パート収入のみ)が書く年末調整の書き方・記入例」となります。
年末調整の書き方でお困りの方は、ケース別に年末調整記入例をまとめた、こちらの記事も是非参考にしてみてください。
【参考記事】
■2023(令和5年)年末調整書類の書き方・記入例ケース別まとめ
それでは今日も最後までお読みいただきありがとうございました。